最終更新日 2024年7月3日
ポータブルの太陽光発電システムの購入を検討しています。その過程で、シート状の太陽電池がある事を知りました。遅いです。
ペロブスカイト太陽電池と云うそうです。ペロブスカイトとは結晶構造名前だそうで、横浜桐蔭大学・宮坂教授の研究グループが発表したのが始まりだそうです。従来のシリコン結晶と比較した表がありました。転記します。
結晶シリコン ペロブスカイト 発電性能(高照度) ◎20%越 ◎20%越 発電性能(低照度) ×殆ど発電しない ◎よく発電する 重量 ×重い ◎軽い 発電層の厚さ △数百μmオーダ ◎ 柔軟さ ×無い ○フィルム化可能 原料・生産コスト ○安い(量産効果) ○安くなる可能性はある 輸送・設置コスト △有る程度は安い ○軽いので安価 耐久性 ◎高い △技術開発中 大面積化 ◎容易 △技術開発中 今年早々に本も出ているみたいです。
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出版社 | 共立出版 |
発売日 | 2024/1/25 | |
言語 | 日本語 | |
単行本 | 208ページ | |
ISBN-10 | 4320044894 | |
ISBN-13 | 978-4320044890 |
結局のところペロブスカイト太陽電池が従来のシリコンソーラパネルと比べたときのメリットがなんなのかが重要です。
ペロブスカイト太陽電池は、ペロブスカイト結晶と呼ばれる化合物を極薄のフィルムに塗布することで作られます。使用される材料の特性から、薄くて軽く、あらゆる形状に曲げられる柔軟性を持っています。先生曰く、溶剤に溶け、塗布できることが最大のメリットだと宣っています。少ない材料・設備・工程で製造可能であり、製造コストを抑えることができるのも特徴となっています。
マモルファスシリコンによる薄膜太陽電池は既に実用化されています。「軽くて曲がる」ではアドバンテージがないです。ペロブスカイト太陽電池の原材料の一部であるヨウ素は、世界の埋蔵量の3割を日本で確保出来、国産化の見込める技術でもあります。また、日照量を少ない時でも発電するという特徴もあります。
こちらのメリットを強調しないとペロブスカイト太陽電池は埋もれてしまいそうです。デメリットとして耐久性や製造プロセスの確立があります。今後解決する課題かとも思います。
※シリコン太陽光パネルは20年以上の耐久性があり、生産技術も確立して大量生産によるコスト低減も実現出来ています。既に中国製の商品がリリースされているそうですが、「フレキシブルソーラパネル」で検索すると、単結晶シリコンを使用した商品で目的のモノではなかったりします。まだ懸案点の解決には至っていないという事なのかも知れません。
確実にペロブスカイト太陽電池が見つかれば購入を検討したいと思います。
2024年7月3日
7月1日の日経クロステックの記事に「ペロブスカイト太陽電池、飛躍の条件」と云うのがありました。経済産業省が2024年5月に開催した、ペロブスカイト太陽電池の普及に向けた戦略策定を目指す官民協議会で検討がされているようです。中国メーカに負けない対応が必要です。既に特許出願も中国発が圧倒的に多いようです。ただ、分析すると中国側はガラス基板に形成されたペロブスカイト太陽電池が主であるのに対し、日本の申請はフィルムベースのようで、積水化学工業製フィルム型ペロブスカイト太陽電池の変換効率は15%程度と公表されていることを引き合いに更に効率を上げて商品価値を高めたいとしています。
この記事には、中国勢の目的にも言及がありました。10年後には確実に訪れる既存メガソーラーのリプレスにおいて、変換効率を高めたペロブスカイト太陽電池で置き換える目論見があるようです。ペロブスカイト太陽電池は積層化によって変換効率を更に高めることが出来る事を重要視しているようです。
変換効率か?、形状か?行方を見守る必要があります。
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