STM32duinoについて

最終更新日 2021年6月8日

今更ですが、STM32duinoについて思うことを綴ります。

STM32duinoとは Arduino IDEでSTM32ボードを使用することに関するすべて を纏めて STM32duino と称しているようです。この表現からすると、STマイクロエレクトロニクス社の32bitCPUが搭載されたCPUボードであればすべてが対象のようですが、実際にはサポートしているCPUは限られます。

STM32duinoは Arduino IDE にSTM32duinoサポートパッケージをインストール必要があります。現在の最終版は R20170323 です。https://github.com/stm32duino/Arduino_Core_STM32 を確認して対象CPU/ボードを把握する必要があります。

なぜ Arduino では無く STM32duino なのかを明確にしておかないとこのスレッドは意味をなしません。単にSTM32chipが使いたいだけであるならSTマイクロエレクトロニクス社は専用開発環境を提供しています。

現時点でArduinoに主に採用されているMPU=AVRは安価であり、互換機も出回って互換ボード自体もとても安価です。しかし、AVRchipの枠で賄えるプロジェクトも限界があります。クロックがより高速である必要があったり、IO点数がより大きい必要があったり、特別な機能を備えている必要があったりします。
一方STM32chipは32bit環境で、chip単価はAVRより安かったりします。chip仕様のバラエティもあり、最適な環境が選べます。

その反面開発環境としてはArduinoIDEが多くのユーザを抱え、世界的な普及度合いは目を見張るモノがあり、ArduinoIDE環境下でSTM32chip/ボードを使いたいとユーザに答えたのか、先人ユーザによって STM32duino が立ち上がったようです。
※STAR Ottoという正規プロジェクト(2016/05)が立ち上がったのにいつの間にか転けたのが切掛なのかもしれません。
https://community.st.com/thread/34583-what-happened-to-arduino-star-otto

カナダのLeafLabs社がリリースしたMaple miniを利用するためにMaple IDEをリリースしており、これが異なったアーキテクチャなのに使い勝手がほとんど同じだったことが起因しているということもあります。また、Maple miniの情報公開をしているため、セカンドソースがたくさんリリースされ STM32duino の弾みになったとも云われているようです。
※LeafLabs社は存続していますが、Maple miniはdisconです。


2018/9/4追記

可成り前から判ったことですが、STM32F1xxにはEEPROMがありません。
EtherNetShieldの項で記載したMACアドレスをEEPROMに書き込んで扱うという処理を、BluePillに対して実行したのですが、実現出来てしまうことが判っています。
もちろんSTM32duinoでEthernetモジュールが普通に使えることも重要なのですが、ArduinoのライブラリEEPROM.hがエミュレートされ、STM32duinoで実現出来ていることにちょっと感動しています。
※Arduino for STM32のフォーラムで話題になった過去があります。

このことから、UNO辺りであればBluePillに置き換えて STM32duino で実現するのは現実的な展開かもしれません。


2019/3/6更新

本気でBluePillへの置き換えを試し始めました。
単純なコードは殆どSTM32duinoでビルド出来ます。ただ、外部IOを伴うと気を遣います。


STM32MiniはAliExpressのRobotDyn公式サイトでArduinoIDE用のBootLoader書込済みとそうでないものが併売されています。

https://robotdyn.ja.aliexpress.com/store/1950989

pinが半田づけされていない+BootLoaderが書き込まれていなければ$2.99、
pinが半田づけされていない+BootLoaderが書き込まれている場合$3.49、(+$0.5)
pinが半田づけされていて+BootLoaderが書き込まれている場合$3.89(+$0.9)

BootLoaderは結構簡単に壊れてしまいます。その意味で素のモデルをストックして必要に応じてBootLoaderを書き込むのは理に適っていると考えました。ただ、面倒には違いないので専用のツールとBootLoader書込作業手順を残します。

ツールは、以下のようなもので、FTDIの基板と40pinソケット基板が専用配線されているものです。

使い方は、

  1. 予めFTDIのドライバをPCにインストールしておく
  2. 書込ツールは stm32flash.exe を使用します。予め落としておく必要があります。
    https://sourceforge.net/projects/stm32flash/files/
  3. バイナリファイルも落としておく必要があります。使用するファイル名は、generic_boot20_pc13.bin です。
    https://github.com/rogerclarkmelbourne/STM32duino-bootloader/tree/master/binaries
  4. ツールにSTM32Miniをセットし、PCとUSB接続する。このときデバイスマネージャで割り当てられたCOMポート番号を控えます。
  5. STM32MiniのジャンパピンBOOT0を 1 側に差し替えます。尚、BOOT0はUSBコネクタ側です。
  6. コマンドプロンプトを立ち上げます。
  7. stm32flash.exe をドロップします。
  8. -w と打ち込みます。
  9. generic_boot20_pc13.bin をドロップします。
  10. COM番号を書込みます。 COM10接続なら COM10と書き込む
  11. 実行します。以下が成功例です。


2020年12月17日追記

ESP32 for ArduinoIDE で OTAによるプログラムアップデートを実行すると、ソフトウエア的に再起動するように ESPClass::restart()  というAPIが用意されています。BluePillで実現するにはどうしたらいいのか、調べました。

案外簡単に見つかりました。stm32duinoforumに [Solved]How to reset the board by code with stm32generic core? ってありました。

nvic_sys_reset();

実際に試してみましたが、ちゃんと動作します。
これが実現出来るという事は、ネットワーク越しにプログラムの再起動が実行出来ます。WatchDogTimerで監視してdeadLockしたりしたことを検知したら再起動するとかが実現出来そうです。


2021年6月8日追記

STM32duinoでウオッチドックタイマ(WDT)を使う方法ですが、LibMapleを使う事で実現出来ます。


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