最終更新日 2020年7月16日
SSDの寿命に関する定義が気になります。期待通りの結果が得られなくなったら寿命なのでしょうが、その状態に陥る根拠が曖昧です。
- NANDフラッシュの書き換え回数に制限があることは知られています。SLCなら10万回、MLCなら1万回、TLCなら1000回という情報があります。
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/semicon/1149330.html
これからすると、1日に20GBの書き換えをするとした場合、コントローラが適切に分散書き込みするとして、100000/(120GB/20GB/日)->5.7年と云う事かと思われます。
IntelのSSDは- TBW(Terabytes Written)という指標を表示している商品もあります。この商品で1日に20GBの書き換えをするとした場合、200TBW/(20GB/日)->27.3年となります。
実際にSSDユニットとしてメモリ素子自体が壊れるよりもコントローラモジュールだとが、物理的にコネクタ接触不良だとかが先に発生して認識出来なくなる可能性が高いのかもしれません。
“SSDの寿命”なる題材を挙げたのは、4年前に納品した装置に装備したSSDが相次いでBIOSから認識されないようになり、PCが起動しないと云う状態に陥ったからです。ターゲットSSDはIntelの535シリーズ 120GB(SSDSC2BW120H6)です。MLCのモデルでした。これが立て続けに2台、OSが起動出来ない状況になってしまいました。
これはBIOSからSSDが認識されず、他にBOOTディスクが存在しないことが原因でした。
SSDが認識されなくなったのは突然とは云うものの、予兆はあったようで、現場の方曰く、『何度か再起動すると起動することもあった。起動したらそのまま使えた』とのことだった。この装置では1装置内に7つのPCを搭載しており、それぞれSSDが搭載されていたので、まだ起動したOSにてCristalDiskInfoを実行してみたところ、以下の結果を得た。
総電源投入時間は2年弱、4年間なので、50%程度の使用率でしょうか。結構電源入れっぱなしと云えます。
INTELSSDの寿命指針であるID=E8も58と、閾値の10にはほど遠い。
実際に認識出来なくなったSSDではCristalDiskInfoを実行できないためどんな状況であったのか判りませんが、総書込量は100TBを超えておりそこそこ使用していることは確かです。が、単純な書き換え回数は1000回に満たないと計算できるため、もう少し検討する必要があります。このSSDはセットアップ後デフラグとかはしていません。SSD内の空き容量は現時点で確認する術はありません。書込済みの領域を移動することが無ければ、データの書き換えは空いている領域が割り当てられるでしょうから、空き容量が少なくなればなるほど、特定領域の書き換え回数が極端に増えてしまう可能性が考えられます。
SSDがBIOSから認識出来なくなってしまうと、データを復元するのは大変です。予兆があったのであれば、すぐにマイグレーションしてOSライセンスやデータを保護してしたいところです。その意味で INTELSSDの寿命指針であるID=E8 だけでは不十分のようです。また、メーカによってはID=E8という情報すら提供されないモデルもあります。代替情報が提供されているのでしょうが、共通情報が欲しいものです。
比較対象のSSDを見つけました。330 Series(SSDSC2CT120A3K5)なのですが、使用期間は十分長く、古くから使用しています。現役です。
MLCタイプですので比較しても構わないのかと思います。総書込量が少ないためか?
装着してから7年以上使っており、電源投入時間も1年以上使用率は15%ぐらいでしょうか、使用上の不安要素はないですし、予兆となるような現象もありません。
ID=E8利用可能な予備領域[寿命]は100ポイントであり、殆ど劣化していないことになります。使い方の違いが大きいため単純比較は出来ませんが、『利用可能な予備領域』というのは無視できないでしょう。そして、この値の閾値が10ポイントというのは問題がありそうです。60ポイントを切った時点でSATAとして認識出来ないモデルがあるわけですから。
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