2005年頃リコールにまで発展した ソニー製CCD不具合問題 についての考察

最終修正日:2022/7/13

ふと思い出したので備忘録として書きます。

2004年頃 CCDを搭載しているカメラが相次いで故障するという騒ぎがありました。ある検査用カメラのユーザーは「納入した製品のうち20%以上が,わずか数カ月で次々に壊れた。あまりに不良率が高すぎる」という書込をして大騒ぎです。

直接の原因は生産工程で使用した『ヨウ素化合物を含む接着剤の使用』でした。生産現場の技術者が生産工程の見直し/改善として乾燥速度が速く生産性を著しく向上させる『ヨウ素化合物を含む接着剤』への変更を行いました。この変更は開発者/研究所への確認を怠っていたとのことです。
ところが、この『ヨウ素化合物を含む接着剤』は腐食を誘発し、時限爆弾のように有る程度の時間をおいて不具合顕在化となりました。

開発者/研究所では行程開発時に『ヨウ素化合物』を使用する事で乾燥時間の短縮が出来る事を知っていたのに腐食の懸念から敢えて採用しなかった経緯があったとのことです。ところがそんな情報は現場には知らされていません。またこの現象はありふれた情報として公開されているモノでも無かったようで、現場の技術者も認識していなかったようです。

改善の一環として行われた材料変更が暫くして原因不明の不具合を次々に引き起こしてゆきました。

リコールを実施して事態収拾を図ったのですが、原因特定が曖昧なままでした。当初は『生産装置の設定の問題』としており、『ヨウ素化合物を含む接着剤の使用』の問題という認識が無かったため、相変わらずこの接着剤を使い続けました。そのため改めて時限爆弾が起動し、問題解決に至ってませんでした。

2005.11.15の日経エレクトロニクスの記事では『CCD不具合は防げなかったのか』と云うタイトルで詳細が述べられています。有償記事です。当時日経エレクトロニクスを購読しており、とても印象に残っています。
この記事が一般的な教訓として啓蒙するためには、日経BPさんには無償公開して欲しいものです。

カイゼンは重要なんですが、過去の失敗情報もすべて公開して教育されていないと同じ過ちが繰り返されてしまいます。現場では善かれと思って改善しました。
開発/研究所では生産工程の確立の過程で『ヨウ素化合物』を使用すると乾燥速度を速くすることは判っていても懸念点も判っており、多少時間は掛かるモノの安全な工程を指示していました。このとき、『ヨウ素化合物』を使う事に懸念を示す記述があれば、このリコール問題には至らなかったと思います。
カイゼンはブレーンストーミングよろしく他人の発言を否定したり批判することなく、進むことが多いと思います。その点、TRIZの発想は問題点も加味して検討してゆくため不用意なトラブルが事前に回避出来ます。

さてさて、次はどんなトラブル報道がありますか、、、、


戯言(nonsense)に戻る


免責事項

本ソフトウエアは、あなたに対して何も保証しません。本ソフトウエアの関係者(他の利用者も含む)は、あなたに対して一切責任を負いません。
あなたが、本ソフトウエアを利用(コンパイル後の再利用など全てを含む)する場合は、自己責任で行う必要があります。

本ソフトウエアの著作権はToolsBoxに帰属します。
本ソフトウエアをご利用の結果生じた損害について、ToolsBoxは一切責任を負いません。
ToolsBoxはコンテンツとして提供する全ての文章、画像等について、内容の合法性・正確性・安全性等、において最善の注意をし、作成していますが、保証するものではありません。
ToolsBoxはリンクをしている外部サイトについては、何ら保証しません。
ToolsBoxは事前の予告無く、本ソフトウエアの開発・提供を中止する可能性があります。

商標・登録商標

Microsoft、Windows、WindowsNTは米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。
Windows Vista、Windows XPは、米国Microsoft Corporation.の商品名称です。
LabVIEW、National Instruments、NI、ni.comはNational Instrumentsの登録商標です。
I2Cは、NXP Semiconductors社の登録商標です。
その他の企業名ならびに製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。
すべての商標および登録商標は、それぞれの所有者に帰属します。