最終更新日 2021年3月1日
PXI-1073eのファン故障の連絡が増えています。ファン交換自体は自身で出来ます。ファン自体も純正品が購入できます。ファンは消耗品と考えれば故障したら交換修理すればいいのですが、ファン故障の頻度が多いのが気になりました。そこでファンを分解して構造を理解しておこうと思います。
PXI-1073eには中国・JMC社のP/N:12000B0033という□1225の一般的なファンが使われています。DC12V0.75APWMタイプなので容量的に選択肢は絞られます。また、接続コネクタがモレックスSLモジュラーコネクターという点がネックかもしれません。
分解後に判ったことですが、このファンにはボールベアリングが2つ装備されており、等価構造は以下の通りです。
分解してみます。等価図のretainerを外すことで、Impeller Rotor(羽根車回転部)を抜き取り分解が出来そうです。
外部にネジは見えません。シールを剥がして状況確認します。
- 細かな粒状のゴミが付着していましたファンが吸い込んだゴミなのか、擦れて出てきたゴミなのか判りません。
- 剥がしたシールの裏にもびっしりです。
- まずは掃除します。
- 掃除をしたところ回転軸にスナップリングが嵌まっていました。このリングだけで固定されているようです。
- 奥にはベアリングが確認出来ます。C/スナップリングは呼び3かと思います。
- このリングを外すことで分解できるのかと思われます。実行します。
やはり持つべきは工具ですね。こんな工具を使って外しました。再利用を考えるといい加減なことは出来ません。
軸を押し込むと羽根が取れます、また、ベアリングも外れます。構成部品は以下の通りでした。
@ ![]()
C/スナップリング
樹脂ワッシャA ![]()
ボールベアリング
2個装備されていました。
内一個は壊れていましたB ![]()
スプリング C ![]()
ハウジング
ハウジング側にコイルが巻いてあります。D ![]()
ファン
ファン側に軸が固定されており、周囲は反弧の永久磁石が固定されています。ファンから異音がして交換となったのですが、その異音の原因について以下のような考察を立てています。
- 実行環境は滑石粉塵があります。その滑石がファンに吸い込まれ隙間から回転軸やコイル周辺に付着していました。
- ボールベアリングが採用されたファンでしたので付着ゴミの影響は受けにくいはずでしたが、実際には偏心を引き起こすような事態になっていました。
- ゴミを除去し、薄くグリスを塗布すると、異音が発生することなく回転しますし、低速でも回転起動するようになりました。
このことから滑石ゴミが堆積したことが原因であると結論づけています。- 滑石粉塵を無くすことは困難であるので、ファン吸い込み口にフィルタを付けたいところです。が、ファンに引き込まれること無く取り付けることが困難です。
- PCファンは消耗品として定期的に交換するのがリーズナブルというのを結論づけるべきだと感じた次第です。
分解後極力清掃して組付け直してみました。壊れていたボールベアリングも掃除して組立直しました。その結果、ファンがスムーズに回転するようになりました。このことで
- 直接の原因はボールベアリングの一つに異常が出て偏心した。
- ボールベアリングが壊れた要因は滑石と思われるゴミが入り込んだこと。
- ボールベアリングにも機密性が有るモノが採用されていればもう少し故障発生率は低く出来るのでは無いか。
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