NTPサーバーツール

最終更新日 2020年12月23日

Galleon Systems社はNTPサーバツールを提供しています。しかも無償です。
現在STM32miniGPSNTPサーバの修正作業をしている過程で、時刻精度を検証する術を検討しており、このツールを見つけました。
実際に検証し結果を示しておくことは重要だと考えています。

Galleon Systems社のツールですが、もともとNTPCheckと云うツールだったようです。その後NTPServerToolとして提供されています。

説明書を見ると、NTPチェックと云うツールはNTPバージョン3クライアント要求をタイムサーバーに送信するために使用されます。
STM32miniGPSNTPサーバに対して実際に実行した結果を基に示します。※このツールは結果がクリップボードにコピーできません。残念。

項目 実際の結果 説明
Mode: 3 Client 0:予約済み。
1:対称アクティブ。
2:対称パッシブ。
3:クライアント。
4:サーバー。
5:ブロードキャスト。
6:NTP制御メッセージ。
7:私的使用。
Leap Indicator: 0 0:うるう秒調整なし。
1:その日の最後の1分は61秒です。
2:その日の最後の1分は59秒です。
3:時計が同期していません。
Stratum:
(層:)
1 0:指定されていないか無効です。
1:プライマリリファレンス。
2-15:二次参照。
16:非同期。
17-255:予約済み。
※GPSを直接参照しているという事です
Version Number: 4 NTPバージョン番号。
SNTP対応は4
Poll Interval:
(ポーリング間隔:)
64 メッセージ間の最大間隔(秒単位)から最も近い2の累乗まで。
Precision:
(精度:)
1.4474+76 ローカルクロックの精度(秒単位)から最も近い2の累乗。
Root Delay:
(ルート遅延:)
0
  • ビット15と16の間の小数点での、プライマリ参照ソースへの合計ラウンドトリップ遅延(秒単位)。
  • 正と負の値が有効です。
Root Dispersion
(根の分散)
8000
  • ビット15と16の間の小数点での秒単位のプライマリ参照ソースに対する最大エラー。
  • ゼロより大きい正の値のみが有効です。
Reference ID
(参照ID)
GPS
  • 特定の基準クロックを識別するために使用されます。
  • ストラタム0(指定なし)またはストラタム1(プライマリ参照)の場合、これは4バイト、左寄せ、ゼロが埋め込まれたASCII文字列です。
  • ストラタム2以上(セカンダリ参照)の場合、これはプライマリ参照ホストのIPv4アドレスです。

参照IDの例

  • GPS:全地球測位システム
  • GAL:ガリレオポジショニングシステム
  • PPS:一般的な1秒あたりのパルス数
  • WWVB :(北米)60kHzの無線時報
  • MSF :(イギリス)60kHzの無線時報
  • DCF :(ドイツ)77.5kHzの無線時報
Reference Timestamp
(参照タイムスタンプ)
2020/12/23 8:38:08 ローカルクロックが最後に設定または修正されたローカル時間。
Originate Timestamp
(タイムスタンプの発信)
2020/12/23 8:37:25 クライアントがリクエストを送信した現地時間。
Receive Timestamp
(タイムスタンプを受け取る)
2020/12/23 8:38:08 サーバーがリクエストを受信した現地時間。
Transmit Timestamp
(タイムスタンプの送信)
2020/12/23 8:38:08 サーバーから応答が送信された現地時間。
Round Trip Delay 240 リクエストの出発から返信の到着までの時間(ミリ秒単位)。
Local Clock Offset 42509 ミリ秒単位のプライマリリファレンスソースに対するローカルクロックのオフセット。

一般的な大学のNTPサーバに対する結果も添えておきます。

東京理科大学 ntp.nc.u-tokyo.ac.jp

Mode: 3
Leap Indicator: 0
Stratum: 1
Version Number: 3
Poll Interval: 8
Precision: 2.2E+71
Root Delay: 0
Root Dispersion 1.007080078125
Reference ID GPS
Reference  
Originate Timestamp  
Receive Timestamp  
Transmit Timestamp  
Round Trip Delay 17
Local Clock Offset 43868

東北大学1 ntp1.tohoku.ac.jp

Mode: 3
Leap Indicator: 0
Stratum: 1
Version Number: 3
Poll Interval: 8
Precision: 2.2E+71
Root Delay: 0
Root Dispersion 1.007080078125
Reference ID GPS
Reference  
Originate Timestamp  
Receive Timestamp  
Transmit Timestamp  
Round Trip Delay 17
Local Clock Offset 43868

東北大学2 ntp2.tohoku.ac.jp

Mode: 3
Leap Indicator: 0
Stratum: 1
Version Number: 3
Poll Interval: 8
Precision: 2.2E+71
Root Delay: 0
Root Dispersion 1.007080078125
Reference ID GPS
Reference  
Originate Timestamp  
Receive Timestamp  
Transmit Timestamp  
Round Trip Delay 17
Local Clock Offset 43868

同じPCからの結果という事で、PCと各大学のNTPとのClock Offsetが43.868秒は正しそうです。とするとSTM32miniGPSNTPサーバとのClock Offsetが42.509秒は正の時間から1.359秒のズレがあると考えられます。

いろいろ調査して、時刻の扱いで秒以下を0で扱っていたことに問題があることが判りました。上記で1秒以上のズレがどうして発生するのか判りませんでした。が、NTPサーバツールでチェックすると時刻表示が少数以下3桁表示され問題が露呈しました。

Mode: 4 3 3
Leap Indicator: 0 0 0
Version Number: 4 3 3
Stratum: 1 1 1
Poll Interval: 64 8 8
Precision: 0.125 0.000004 0.000002
Root Delay: 0 0 0
Root Dispersion 8000 0 0.001
Reference ID GPS GPS GPS
Reference 2020/12/23 8:48:48.000 2020/12/23 16:19:05.685 2020/12/23 16:19:18.257
Originate Timestamp 2020/12/23 8:48:04.143 2020/12/23 16:19:12.004 2020/12/23 16:19:34.256
Receive Timestamp 2020/12/23 8:48:48.000 2020/12/23 16:19:11.568 2020/12/23 16:19:33.867
Transmit Timestamp 2020/12/23 8:48:48.000 2020/12/23 16:19:11.568 2020/12/23 16:19:33.868
Sys 2020/12/23 8:48:04.684 2020/12/23 16:19:12.019 2020/12/23 16:19:34.322
Local Clock Offset 43.586 -0.443 -0.421
Round Trip Delay 0.5410 0.0151 0.0671

そこでファームウエアソースを見直しました。修正結果です。改善が見られたので、この状態で様子見です。

Mode: 4
Leap Indicator: 0
Version Number: 4
Stratum: 1
Poll Interval: 32
Precision: 0.000977
Root Delay: 0.031
Root Dispersion 0.047
Reference ID GPS
Reference 2020/12/23 16:17:57.900
Originate Timestamp 2020/12/23 16:17:57.617
Receive Timestamp 2020/12/23 16:17:57.900
Transmit Timestamp 2020/12/23 16:17:57.900
Sys 2020/12/23 16:17:58.000
Local Clock Offset 0.092
Round Trip Delay 0.3840

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