LINXforRaspberryPiを試してみた

最終更新日:2017/2/10

LINKは LabVIEW MakerHub という団体が提供する 一般的な組込プラットフォームとの接続インタフェース です。
LabVIEW MakerHub がサポートしており、VIPMを介して開発環境にライブラリをインストールします。

https://sine.ni.com/nips/cds/view/p/lang/ja/nid/212478

現時点の最新版は3.0.1.192のようです。

Raspberry Pi 3(RPI3)に対応していることを知り、Raspberry Piを使ってみたいと思いました。自分はRaspberry Piを使ったことがありません。

Raspberry Piはイギリスのラズベリーパイ財団(英語版)によって開発されたシングルボードコンピュータでBroadcom社のARMプロセッサを搭載しています。これまでに変遷があり、現在はRPI3が一般です。
RPI3は$35という価格であり、64bitCPUで4コア 1.2GHz 十分に使えるコンピュータです。
搭載できるOSは専用のRaspbian以外にも亜種のOSがたくさんあります。Windos10IoTもサポート計画しているとのことです。
とりあえずRaspbianを搭載して起動出来ればLINXと接続出来るようですので、チャレンジしたいと思います。

既に先人がいろいろ紹介されています。

  1. https://www.denshi.club/pc/labview/labview-makerhubraspberry-pil.html
    神崎 康宏さんが書かれているサイトと思われます。間違っていたら済みません。
    ここの記事が、大変参考になりました。
  2. https://labview.exblog.jp/21828040/
    大橋康司さんが書かれているサイトと思われます。間違っていたら済みません。

はじめてRaspberry Pi 3を購入することもあり、全体像と目標を決めて、パーツ購入から記録に残しておこうと思います。


  1. ターゲット環境の選択と購入
  2. LINX環境整備
  3. LINXのExample紹介
  4. 実際に使ってみて
  5. 関連書籍紹介
  6. 余談


ターゲット環境の選択と購入】

ターゲット環境をまず決めておきたいと思います。
本件は仕事とは切り離すためにLabVIEW Home Bundleを入手し、安価なWindowsPCでの専用環境を構築したいと思いました。幸いWindows10Home搭載のBeeBoxをデバッグ環境用に購入して有ったのでこれを使おうかと思います。
ターゲットのRaspberry Piですが、RS製とelement14製が存在することが判りました。ボードのシルク印刷が多少違うのとパッケージ外箱が違う程度とのことです。element14製の方が安価なようですのでこちらにします。
Raspberry Pi用のOSをダウンロードして構築するのはそれなりに時間が掛かります。調査したところ、KUMANのRaspberry Pi用タッチパネル・ケースパックに動作確認用OSイメージ同梱版があることが判りました。これだと、とりあえずすぐに確認出来るので便利だと考え、選択しました。
後は電源だけ確保しておく必要があったのでACアダプタ(5V2.5A)を購入しました。

  名称 価格 購入場所 備考
@ LabVIEW Home Bundle \5800 秋月電子通販 https://akizukidenshi.com/catalog/g/gS-11567/
https://akizukidenshi.com/download/ds/akizuki/labview_regist.pdf
A Raspberry Pi 3B \4800 秋月電子通販 https://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-11425/
B ACアダプター5V2.5A \1100 秋月電子通販 https://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-10507/
C Kuman 3.5インチ
ディスプレイ
タッチパネル
\3900 Amazon https://www.amazon.co.jp/Kuman-Raspberry-・・・

これ以外に電源用のUSBケーブル(A-MicroB)、ネットワークケーブルが必要ですが、これで、LINXとの接続ができます。
Kuman タッチパネルに添付のSDカード以外にブランクのSDカードを用意しておくのもよいかと後で思いました。

LINX環境整備】

入手したLabVIEW Home BundleをBeeBoxにインストールしました。購入したものは紙切れ一枚で、ライセンスコードのみ記載されています。最初にNI-Siteから必要なオブジェクトをダウンロードしておく必要があります。

  1. 必要なオブジェクトをダウンロードします。
  2. LabVIEW Home Bundleのインストール
  3. NI-VISA16のインストール※LabVIEW Home Bundleないのものではなく最新版の方がいいです。
  4. LabVIEW Control Design and Simulation Module 2014のインストール※折角のライセンスなので
  5. LabVIEW MathScript RT Module 2014のインストール※折角のライセンスなので
  6. VIPM2016SP1のインストール※LabVIEW Home Bundleないのものではなく最新版の方がいいです。
  7. LINX最新版のインストール※VIPM経由
  8. RaspberryPiの起動確認
  9. LINXを起動しRaspberry Piに対して必要なオブジェクトをダウンロード/インストール


必要なオブジェクトをダウンロードします。】

ダウンロードしておくコンポーネントは以下のものです。

  • LV2014SP1英語版Full
    https://ftp.ni.com/support/softlib/labview/labview_development_system/2014%20SP1/2014sp1LV-WinEng.exe
  • LV2014CDSM
    https://www.ni.com/download/labview-control-design-and-simulation-module-2014/4833/en/
  • LV2014MSRT
    https://www.ni.com/download/labview-mathscript-rt-module-2014/4835/en/
  • NI-Visa16
    https://www.ni.com/download/ni-visa-16.0/6184/en/

VIPM2016はLabVIEWインストール後LabVIEWのメニューからダウンロード/インストールします。予めインストールしようとするとメールアドレスを書き込む必要があり、NIのライセンスと食い違うと面倒です。

LabVIEW Home Bundleのインストール】

指示に従ってインストールします。またアクティベーションもしておきます。
注意点としてはLabVIEW Home Bundleにはレポートツールキットやデータベースツールキットのライセンスは無いと云うことでしょうか。

NI-VISA16のインストール※LabVIEW Home Bundleないのものではなく最新版の方がいいです。】

指示に従ってインストールします。

LabVIEW Control Design and Simulation Module 2014のインストール※折角のライセンスなので】

指示に従ってインストールします。アクティベーションもします。LabVIEW Home Bundleのライセンスに含まれます。

LabVIEW MathScript RT Module 2014のインストール※折角のライセンスなので】

指示に従ってインストールします。アクティベーションもします。LabVIEW Home Bundleのライセンスに含まれます。

VIPM2016SP1のインストール※LabVIEW Home Bundleないのものではなく最新版の方がいいです。】

LabVIEW起動後tool>>VIPackegeManager..を選ぶとダウンロードを指示されます。ここで実行すると最新版がインストールされます。

LINX最新版のインストール※VIPM経由】

VIPMインストール後LINXをインストールします。検索項目にLINXと入れると見つかります。

RaspberryPiの起動確認】

購入したRaspberryPiにKumanに検証用SDカードを挿して、タッチディスプレイを装着します。
※2016-05-27-raspbian-jessieにディスプレイモニタ用のドライバおよび設定がなされたもののようです。
後はACアダプタから電源を供給すればあっという間に起動します。
※RaspberryPiされているHDMIの出力ですが、起動後のコマンドラインは表示します。しかし、その後でGUIの設定が480×320になっているためか、停まってしまします。モニタ側がタイミング信号に合わせられないためだと思います。

もし可能なら幾つかの設定を行います。

  • ネットワークはDHCP設定になっています。固定にしたい場合は設定変更が必要です。
  • 日本語表記も可能です。ただしフォントの問題が残ります。
    変更はGUIで出来ます。
    Menu>>Preference>>Raspberry Pi Configurationを選択しRaspi-configを起動します。
    Localisationのタブを開きSet LocaleでJapaneseを選びます。
  • 時計のLocationはグリニッジになっています。Tokyoに変更しないと9時間ずれています。
    Localisationのタブ内のSet TimezoneでJapanを選びます。※勝手にASIA/TOKYOに変換されるようです。
  • 日本語フォントのインストール
    これはコマンドラインから実行しないといけないようです。
    という事で日本語化は後回しにします。

    sudo apt-get install ttf-kochi-gothic xfonts-intl-japanese xfonts-intl-japanese-big xfont-kaname
    sudo apt-get install uim uim-anthy
    sudo apt-get install jfbterm
    jfbterm

LINXを起動しRaspberry Piに対して必要なオブジェクトをダウンロード/インストール】

開発環境の整備が終わったら、WindowsPCのネットワーク環境にRaspberry Piも置きます。
Raspberry PiのIPアドレスが分かっていればいいのですが、判らなければarp-aで検索するのも良いかと思います。

@
LabVIEWを起動し、Tool>>MakerHub>>LINX>>LINXTargetConfiuration を実行します。
A
接続しているRaspberryPiのIPアドレスを入力します。また、ログオンNameおよびPasswordは最初なので書かれているようにそのまま入力しましょう。
B
認識するとIPアドレス表示とターゲットのUpdateを促されます。『Connect』を実行します。
C
Installを実行します。
D
KUMANのイメージは16GBのMicroSDカードで提供されていたのですが、8GBしかパーテーションを切っていないようです。というかイメージが8GB版なのでしょう。拡張作業をしてくれるようです。
E
USB/UARTが使用できるように設定するかと聞かれますので、有効にします。
F
書込を実行します。
G
インストール中です。たぶんRuntimeEngine
H
勝手にRaspberryPiのReBootを実行します。RaspberryPiのLCDを見ていれば判ります。
I
インストールが完了しました。Exampleをランチするかと聞かれます。
J
このときランチされるExampleはBlinkというやつですが、LCDを接続しているためPINにアクセスできません。
実行は出来ません。

LINXのExample紹介】

RaspberryPi用のExampleはMakerHubのサイトで探すしかなさそうです。

実際に使ってみて】

KUMANのLCDイメージ版OSでもスンナリ接続出来ました。ただ、確認用のEXAMPLEを使うには検討が必要になります。GPIOの1-26pinをLCDが占有します。そのため、PINを選ぶ必要があるのと、確認のための接続をどうやって実現するかという問題があります。14pin分の信号が外に引き出せれば良いのですが、、、

関連書籍紹介】

余談】

KUMANのDisplayはとても調子がいいですが、何せPIXEL数が足りないです。特にセッテイングを行うにはコンソール(LXTarminal)の必要なサイズすら確保できないため大変な思いをします。その意味で、WindowsからTELNETでアクセスすべきです。
PuTTYというリモートログオンクライアントは日本語化もされており使いやすいです。デフォルトのままだと、Encodeの問題で文字化けしますので
ウィンドウ>変換 で UTF-8/Auto-Detect Japaneseに変更しておく必要があります。

リモートデスクトップでアクセスしたくなります。
xrdpというツールが提供されています。PuTTYから

~ $ sudo apt-get update
~ $ sudo apt-get install xrdp

と入力して、インストールを実行します。
完了したら Windowsのアクセサリ>>リモートデスクトップ接続でログオン出来てしまいます。
※xrdp内のLXTarminalという手もあるのですが、応答性は???

後はブラウザを変更したいと思います。理由はなれているChromeが使えるはずだからです。
LabVIEWのコードを落としたときWebBowserでパネル表示するためブラウザは重要です。

KUMANが提供しているRaspian JessieにはChromeが標準添付されなくなったとのことです。ただ、先人はちゃんと手立てを用意してくれています。

wget -qO - https://bintray.com/user/downloadSubjectPublicKey?username=bintray | sudo apt-key add -
echo "deb https://dl.bintray.com/kusti8/chromium-rpi jessie main" | sudo tee -a /etc/apt/sources.list
sudo apt-get update
sudo apt-get install chromium-browser rpi-youtube -y
ginstall-ytdl

この通り一行ずつ実行するとスンナリインストールされました。


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