最終更新日:2021/5/18
Intel社は2013年頃からArduino互換機をリリースしていました。数種類のボードだけで無くドキュメント群もたくさん提供されました。しかし、2017年頃には開発は中止し、在庫品がなくなり次第終焉となりました。ただ、ドキュメント群は今でも残ってはいます。
Intel社のArduino互換機は高性能なCPUを搭載し、従来のArduinoとは比べものにならない処理能力を有しているのが特徴かと思います。
これをArduinoIDEで開発するとなるとデバッグの能力で難しそうですね。
- Galileo( Intel Quark X1000)
- Edison(Atom+Quark)
- Joule(Atom)
- Arduino 101(Curie)
- Curie
- Compute Card
2018年10月30日に公開されたMONOistの記事によると、Intelのように自社工場で生産するメーカにとって、IoTデバイスはコストが合わないという結論から撤退に至ったとしている。
このときの予測で2020年に500億個のIoTデバイスが接続され、そのうちの1%のシェアさえIntelは確保出来ないという予測がされたとある。
個々のIoTデバイスが要求する能力はIntelが思っているほどの回路規模では無く、より小さく安価なデバイスが要求され、IntelのQuarkやCurieは見向きもされなかったと云う事かと思います。いい例が、処理速度結果に表れています。演算速度とIOアクセス速度を比較された方が見えます。2014年03月27日のMONOistの記事ですが、
カテゴリ | 実行回数 | Galileo[msec] | ArduinoUno[msec] |
足算 | 100万回 | 25 | 2075 |
掛算 | 100万回 | 38 | 5093 |
デジタル出力 | 1000回 | 2385 | 44 |
アナログ入力 | 1000回 | 7496 | 1119 |
演算についてはGalileoが32bitCPUでクロックも100MHzと云う事で8bit16MhzのAVRと比べて100倍程度の処理能力があります。
一方IOアクセスですが、高速なクロックを搭載しているにもかかわらずGalileoの方が50倍も時間が掛かっています。
Galileoブロック図を見るとADCはSPI経由、GPIOはI2C経由で接続されアクセスしているようなので異様に時間が掛かっているようです。パソコンならいざ知らず、マイコンクラスとなると目的が合致しなかった事が露呈したのかと思われます。Intel-Arduinoプロジェクトがうまくゆかなかった点について先人の意見を調べて見たのですが、
- IntelのIoT関連の障害は、純粋にドキュメントに関連していた。
Chipのレジスタに掛かる情報は皆無だった- 上記に絡みIntelに問い合わせもサポートが無かった
Arduinoは現在も十分に活発な活動をしており、Intelはこの流れには乗れなかったという解釈で良いのかなと思います。
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