GIGAスクール構想で採用されたデバイスの不良率

最終更新日:2024/4/19

2024年4月19日 埼玉県での『GIGAスクール構想』修理費用情報

2023年11月9日 GIGAスクール構想で発生した不良PC 名古屋市での発生が突出

2023年4月14日 CHUWIの Hi10 X の問題が発覚したので追記しました。

※2021/10/14:Windows AT-08の仕様について代理店が詳細な情報を提供していましたので更新しました。

以前、アイリス大山が独自ブランドPCLUCAをリリースしたという記事がありました。GIGAスクール構想の一環でリリースしたとしました。
この件に関連した記事を中日新聞2021年9月29日の紙面で見ました。

名古屋市教委が採用した「GIGAスクール構想」端末の故障が相次ぎリコール問題となったという記事です。
広島のアスコンというメーカ品ですが、不良率4.5%だそうです。Appleの端末を使用した自治体の不良率は0.07%ということで如何に酷い商品かという事になります。

Wikipediaによると、

株式会社アスコン(ASCON Co.,Ltd.)は、広島県福山市に本社を置く、印刷広告からインターネット広告まで各種広告を手掛ける広告代理店、およびタウン情報誌等の出版会社である。

2021年9月、全国の小中学生に学習端末を配布する「GIGAスクール構想」の一環で、名古屋市教委が配布したアスコン社製PC(GIGAスクール構想対応版PC:AT-08)の2万8700台のうち、約1300台で電源が入らない等の不具合が確認された。
親組織: 青山商事(洋服の青山)

そもそもアスコンなんていうブランドを知る人は殆どいないでしょう?市担当者も「GIGAスクール構想」の要求仕様が明確なので特にメーカを意識することは無かったようです。競争入札なので尚更ですね。短納期を実現出来るとのことで採用してみたいです。
不具合内容も紹介されています。

@ Microsoft Windows 端末 の場合の要件
OS: Microsoft Windows 10 Pro
CPU : Intel Celeron 同等以上2016年8月以降に製品化されたもの
ストレージ: 64GB 以上
メモリ: 4GB 以上
画面: 9〜14 インチ(可能であれば 11〜13 インチが望ましい)タッチパネル対応
無線: IEEE 802.11 a/b/g/n/ac 以上
LTE 通信: LTE 通信に対応していること
(本体内蔵または外付けドングルを使用)形状 デタッチャブル型またはコンバーチブル型
キーボード: Bluetooth 接続でない日本語 JIS キーボード
カメラ機能: インカメラ・アウトカメラ
音声接続端子: マイク・ヘッドフォン端子×1 以上
外部接続端子: USB3.0 以上×1以上
バッテリ: 8時間以上
重さ: 1.5kg 未満

一応スペックシートはWeb上に掲載されているのですが、曖昧なところもあるようです。
※アスコンの代理店が国内にいくつかあるようです。こちらにはきちんと仕様提示がありましたので修正しました。価格だけは?です。

  Windows AT-08(当該型番) LUCA Note PC IPC-AA1401-HM
価格 不明 49,800(税別)
リリース日 2021年2月17日 2021年3月25日
CPU 2.4GHz Quad Core Intel Celeron N4120相当 Celeron N4100
GPU Intel UHD Graphics 600 Intel UHD Graphics 600
メモリ 4GB LPDDR4 1866MHz LPDDR4 SDRAM 4GB
ストレージ 64GB eMMC 64GB(eMMC)増設可
OS Windows 10 Pro 64bit Windows 10 Pro 64bit
ディスプレイ 10.1 inch手書きタブレット (解像度:1920×1200)
充電式電子ペン
10点マルチタッチ対応 アクティブ静電容量方式
14.1型FHD
カメラ 前面:約200万画素
背面:約500万画素
100万画素
WiFi IEEE802.11a/b/g/n/ac IEEE802.11a/b/g/n/ac
Bluetooth Bluetooth4.2 LE 4.2
バッテリ リチウムポリマー
最大動作時間10時間
充電時間 3時間以内
消費電力 6.0W
AC アダプター 12V/2A
5750mAh
インターフェース USB 3.0 TYPE-A x 1, USB3.0 Type-C x 1
Micro HDMI
マイクロ SD メモリーカード
3.5mmステレオジャック
Micro USIM スロット(オプション)
miniHDMIx1
USB3.2 Gen1 Type-Ax2
Type-Cx1
microSDスロット
サイズ 251.9 x 173.1 x 18.2 mm(本体部+キーボード)突起部含む 323.15x19.3x219.4 mm
重量 約1260g(本体 674g+キーボード586g) 1.3 kg

不具合 0 であればそれに越したことは無いです。故障してもすぐに交換・修理対応が為されれば許されるかもしれません。
今回のケースは不良率が高すぎて交換・修理対応が難しい状況と云う事も有り記事になってしまいました。

中日新聞のその後の記事で「GIGAスクール構想」端末の不良率の情報が掲載されました。
日経の記事では採用メーカの情報が掲載されていました。MM総研調査結果だそうです。

  メーカ 占有率 コメント
@ Apple 28.1% 唯一のMacOS
A Lenovo 20.2% WindoswOS+ChromeOS
B NEC 14.4% WindoswOS+ChromeOS
C HP 7.0% WindoswOS+ChromeOS
D Dynabook 6.4%  
E その他 16.4% 富士通、マウスコンピュータ、ASUS、マイクロソフト、DELL
acer
F 未回答 7.6%  
総自治体数は1480
総生徒数は801万2321人
総台数は749万2074台

ちなみに中部6県だとAppleのshareは47%だそうです。中部6県ではアイリス大山のPCを採用した自治体はなかったようです。東北地方の自治体では採用したところがあるのでは無いかと思います。シェアはどのくらいで不良率はいかほどだったのか?

結局のところ教訓として、流通のないメーカの商品はその後発生するトラブルに対処するコストが大きすぎる と云う事でしょうか?これが『安物買いの銭失い』ですね。名古屋市の担当者は反省して戴きたいです。


Windows AT-08はアスコンの話として、中国で生産しているモノをOEMしている様です。元となるモデルがあるはずです。調査しました。
上記スペックからCHUWIの Hi10 X がよく似ていることが判りました。スペックを比較してみます。

CHUWIのモデルは同じ型番のままスペック変更が為されてゆきます。単純には比較出来ないです。

  CHUWIの Hi10 X Windows AT-08(当該型番)
価格 amazon価格43800 不明
リリース日 2019/12/22 2021年2月17日
CPU N4100 1.1GHz-2.4GHz 2.4GHz Quad Core Intel Celeron N4120相当
GPU Intel UHD Graphics 600 Intel UHD Graphics 600
メモリ 6GB RAM 4GB LPDDR4 1866MHz
ストレージ 128GB 64GB eMMC
OS WINDOWS10 home Windows 10 Pro 64bit
ディスプレイ 10.1インチ IPS
WUXGA(1,920 × 1,200)
10.1 inch手書きタブレット (解像度:1920×1200)
充電式電子ペン
10点マルチタッチ対応 アクティブ静電容量方式
カメラ あり 2.0MP(F) 5.0MP(R) 前面:約200万画素
背面:約500万画素
WiFi IEEE802.11a/b/g/n/ac IEEE802.11a/b/g/n/ac
Bluetooth あり 5.0 Bluetooth4.2 LE
バッテリ 24.05Wh リチウムポリマー
最大動作時間10時間
充電時間 3時間以内
消費電力 6.0W
AC アダプター 12V/2A
インターフェース USB2.0
TypeC3.0
TypeC2.0
MicroHD
TF
USB 3.0 TYPE-A x 1, USB3.0 Type-C x 1
Micro HDMI
マイクロ SD メモリーカード
3.5mmステレオジャック
Micro USIM スロット(オプション)
サイズ 261.8mm×167.3mm×8.8mm 251.9 x 173.1 x 18.2 mm(本体部+キーボード)突起部含む
重量 600g キーボード込みで1,174 g 約1260g(本体 674g+キーボード586g)


2021年10月28日

中日新聞2021年10月27日の記事によると、アスコン社のAT-08に関する不具合は4500台になったとのことです。
https://www.chunichi.co.jp/article/354739
この記事には詳細な情報は記載されていません。今後の進展に注視します。


2022年1月2日

中日新聞2021年12月29日版に本件の続報が書かれていました。(Web記事)
結局端末不具合は8600台を超えたとのこと。そして、納入総数29000台すべて交換する事になったようです。不良率は30%と云う事になりました。
アスコン側の不具合説明ではM/Bのリフローの甘さと云う事なのか、それともコネクタの手半田部の半田付け不良なのか、大事になりました。
配布児童の手元に端末が無い状態が無いよう代替機を用意しながらの交換作業となり、アスコン社はリコール以上の痛手を喰ったのでは無いかと思います。そして、先生らの疲弊も多大だったでしょう。

結局は安易に安い機種を選定するのではなく、実績重視でApple・iPadを選択しておけばこんなことにはならず、名古屋市教育委員会の『至らなさ』が発端だったんだろうと思う次第です。



2023年4月14日 CHUWI(ツーウェイ)が「5GHz帯Wi-Fi」の認証取得漏れ発覚

ITmedia PC USER の4月13日の記事に『CHUWI(ツーウェイ)が「5GHz帯Wi-Fi」の認証取得漏れの経緯を説明 認証は4月30日までに取得予定だが……』と云うものがありました。使用しているモジュールは認定済みだったが、製品としての認証に不備があったようです。
この対象機器にHi10 X(CWI529)が含まれていました。これって「GIGAスクール構想」で学校に配布されている可能性の高い機種のように思います。
実際のところどうなのか、学校で5G帯のWiFiを使う事が一般なのかどうかもよく判っていません。

今後の動向記事に注目します。


2023年11月9日 GIGAスクール構想で発生した不良PC 名古屋市での発生が突出

中日新聞 2023年11月4日朝刊に『学習端末の故障 名古屋突出なぜ』という三面記事がありました
これまでに名古屋ではアスコン社製の端末を使用したことにより不具合が多発し、全品交換を実施。22年度で交換を完了しています。それなのに まだ、端末故障が問題となっているのです。その故障割合は文部省の報告で約26%です。異常です。次に不良率の高い都市が大阪市で5%弱ですから、名古屋市が如何に異常に故障率が高いかが判ります。

名古屋市教委の担当者は「自然故障よりも、児童生徒による物損の数の方が多いと思っている」としているが、本当にそうなのか?確かにPCWatchの記事にも『想定以上に壊れる教育現場のGIGAスクール端末。』とある。
不具合の内最も比率の高いのは画面割れで機種はNEC製とのこと。この記事内にApple製という表現は無く、Apple製の故障率が低いことが想像出来ます。


2024年4月15日 埼玉県での『GIGAスクール構想』修理費用情報

NHK埼玉放送局の最多目WEB特集に『パソコンやタブレット端末の故障相次ぐ 修理・保険費用は6億円超に 1人1台「GIGAスクール構想」の現場は』と云う記事がありました。

この記事によると、埼玉県内で「GIGAスクール構想」での保守費用に6億円が投じられたことが判りました。
修理会社の話では故障要因の最大は 液晶パネルの破損 だそうです。家と学校間を持ち歩くため誤って落としてしまうことも発生します。
また、ネジが外れてしまうと云う要因が続くとあり、これは組立時のネジロック等の対応で回避出来たのかもしれません。
意外な要因として砂鉄がくっ付いていたというモノがあったそうです。

それなりの効果が出ているわけで、相当の保守費用は致し方ないとは思いますが、予算化していなかった自治体は多いはずで、今後の自治体の対応も気になるところです。

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